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DJI最新アクションカメラ徹底解説:Osmo Action 5 Proの特徴と選び方

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DJI最新アクションカメラ徹底解説:Osmo Action 5 Proの特徴と選び方

アウトドアシーンや激しい動きの撮影に欠かせないアクションカメラ。その中でもドローン大手DJIの最新モデル「Osmo Action 5 Pro」は、大型センサーと長時間バッテリーを武器に市場に新たな風を吹き込んでいます。本記事では、DJI最新アクションカメラの実力と、GoPro等との違いを徹底解説。カメラ愛好家の皆さんに最適な一台の選び方をガイドします。

DJI最新アクションカメラ「Osmo Action 5 Pro」とは

DJIは2024年9月19日、アクションカメラシリーズの最新作「Osmo Action 5 Pro」を発表しました。同社のアクションカメラ製品ラインにおける最新フラッグシップモデルとなる本製品は、前モデル「Osmo Action 4」から着実な進化を遂げています。

価格は単体で約55,000円、アドベンチャーコンボ(アクセサリーセット付き)で約69,300円からとなっており、競合製品のGoPro HERO13 Blackと比べてもリーズナブルな価格設定となっています。

Osmoシリーズは元々DJIのジンバル(手ブレ補正装置)ブランドでしたが、現在はアクションカメラやスマートフォン用スタビライザーなど、様々なモバイル撮影機器を展開するラインナップへと成長しています。

Osmo Action 5 Proの概要

  • 発売日: 2024年9月19日
  • 価格: 約55,000円(本体のみ)
  • 対応解像度: 最大4K/120fps
  • センサー: 1/1.3インチ CMOS
  • 本体サイズ: 70.5 × 44.2 × 32.8 mm
  • 重量: 約145g
  • 防水性能: 水深20mまで(ケース不要)
  • バッテリー: 最大4時間駆動(4K/30fps時)

Osmo Action 5 Proの進化ポイントと主な特徴

新型1/1.3インチセンサーと高画質化

Osmo Action 5 Proの最大の特徴は、新たに搭載された1/1.3インチの大型CMOSセンサーです。前モデルと比較して大幅に拡大したこのセンサーにより、特に低照度環境での撮影性能が飛躍的に向上しました。

新センサーの採用により、4K/60fpsのハイダイナミックレンジでの低照度動画撮影に対応。ハイライト部が露出オーバーすることなくシャドウ部の複雑な細部まで捉え、総体的な画質が向上しています。

さらに、AIノイズ低減アルゴリズムを備えた「SuperNightモード」により、極端に照度の低い環境でも、よりクリアで鮮明な映像を捉えることが可能になりました。夜間のアウトドア撮影やライトの少ない室内でも、細部までしっかりと記録できます。

ダイナミックレンジ拡大

Osmo Action 5 Proでは、ダイナミックレンジが前モデルの12ストップから13.5ストップへと拡大しました。これにより、明暗差の大きいシーンでも白飛びや黒つぶれを抑え、より自然な映像表現が可能になっています。

例えば、明るい空と影のある地面を同時に撮影する場合や、トンネルの出入り口のような急激な明暗変化のあるシーンでも、滑らかな階調表現で両方のディテールを保持できます。

10-bit D-Log M対応

プロフェッショナルな映像制作を視野に入れたユーザーに嬉しいのが、10-bit D-Log M撮影への対応です。10ビット(約10億色)の色深度により、後編集でのカラーグレーディングの自由度が大幅に高まりました。

D-Log Mとは、DJI独自のログフォーマットで、撮影時に彩度やコントラストを抑えてダイナミックレンジを最大化するモードです。撮影後の編集でより自由度の高い色調整が可能となり、プロフェッショナルな映像作品の制作に対応します。

一般的なカメラでは8ビット(約1,670万色)が標準ですが、10ビットでは色情報が4倍になるため、特にグラデーションの多いシーン(空や夕焼けなど)で階調の滑らかさが際立ちます。

4時間駆動バッテリー

Osmo Action 5 Proは、バッテリー性能も大幅に強化されています。4K/30fpsの設定で最大約4時間の連続撮影が可能となり、前モデルと比較して約50%もの駆動時間延長を実現しました。

これは一般的なアクションカメラの平均的な駆動時間(約2時間)の倍に相当し、長時間のアウトドア撮影やタイムラプス撮影でも安心して使用できます。例えば、サイクリングやハイキングなどの長時間アクティビティ全体を撮り切ることが可能になりました。

被写体センタリング(トラッキング)機能

AIを活用した被写体トラッキング機能も注目ポイントです。この機能により、ジンバルなしでも被写体を自動追尾し、常にフレームの中央に捉え続けることができます。

例えば、サーフィンやスキーなどの動きの激しいスポーツシーンでも、主役となる人物や物体を見失うことなく追い続けられるため、より印象的な映像が撮影できます。

その他の強化点

  • 20m防水対応: 前モデルの18mから強化され、ハウジングなしでも水深20mまでの撮影に対応
  • 47GB内蔵ストレージ: microSDカードを忘れた場合でも、本体メモリだけで撮影が可能
  • デュアルタッチスクリーン: 前面・背面両方のディスプレイがタッチ操作に対応し、自撮りも容易に
  • DJI Mic対応: DJI Mic 2などの外部マイクとレシーバー不要で直接接続可能

前モデルOsmo Action 4との違い

Osmo Action 5 Proは前モデルからどのように進化したのか、主な違いを比較してみましょう。

機能Osmo Action 5 ProOsmo Action 4
センサーサイズ1/1.3インチ1/1.7インチ
ダイナミックレンジ13.5ストップ12ストップ
バッテリー駆動時間最大4時間最大2.5時間
防水深度20m18m
内蔵ストレージ約47GBなし
被写体トラッキング対応非対応

最も大きな違いはセンサーサイズの拡大と低照度性能の向上です。1/1.3インチと1/1.7インチでは受光面積に明確な差があり、夜間や暗所での撮影時の画質に顕著な差が現れます。

また、バッテリー性能の50%向上と内蔵ストレージの追加は、長時間の撮影やすぐに撮影を始めたいシーンで大きなアドバンテージとなります。これらの改良により、前モデルからの買い替えを検討する価値は十分にあると言えるでしょう。

GoPro HEROシリーズとの比較

アクションカメラ市場の最大手であるGoProとの比較は避けて通れません。ここでは最新のGoPro HERO13 Blackと主な違いを見ていきます。

画質・映像性能の比較

解像度:

  • Osmo Action 5 Pro: 最大4K/120fps
  • GoPro HERO13: 最大5.3K/60fps、4K/120fps

解像度だけを見ると、GoProの5.3K撮影は後工程の編集でトリミングの余裕ができるなどの利点があります。しかし、実用面では4K解像度でも十分高精細であり、むしろ低照度性能やダイナミックレンジの広さといった「画質」の要素がより重要になってきます。

実際の低照度環境でのテストでは、GoPro HERO13は暗部の階調が潰れているのに対し、Osmo Action 5 Proは暗い部分の階調を保ったまま撮影できたという結果が報告されています。大型センサーの優位性が表れていると言えるでしょう。

手ブレ補正と撮影機能の違い

DJIの「RockSteady」とGoProの「HyperSmooth」は、どちらも高性能な電子式手ブレ補正技術ですが、実用面では各社の特徴が現れます。

GoProは上下左右の動きだけでなく、水平維持機能が好評です。一方、DJIは特に激しい動きの中での安定性に強みがあり、バイクやオフロード走行などのシーンで差が出ることがあります。

本体デザインと操作性

項目Osmo Action 5 ProGoPro HERO13 Black
サイズ70.5×44.2×32.8mm71.8×50.8×33.6mm
重量約145g約154g
前面スクリーンタッチ操作対応タッチ操作非対応

サイズと重量では、Osmo Action 5 Proの方が小さく軽量です。また、前面ディスプレイのタッチ操作対応は自撮り時の操作性向上につながります。

エコシステムと拡張性

GoProは長年の実績からサードパーティ製のアクセサリーが豊富に揃う一方、DJIはドローンやジンバル製品とのエコシステム連携が強みです。

特筆すべきは、Osmo Action 5 ProがDJI Mic 2などの外部マイクと直接接続できる点で、レシーバーを介さずに高音質収録が可能になっています。

価格とコストパフォーマンス

Osmo Action 5 Proの約55,000円に対し、GoPro HERO13 Blackは約65,000円前後と、10,000円程度の価格差があります。性能差を考慮すると、特に低照度撮影や長時間撮影を重視するユーザーにとって、DJIの方がコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。

Osmo Action 5 Proはどんな人におすすめか

では、実際にどのような用途や好みを持つ人に最新のOsmo Action 5 Proがおすすめなのか、チェックリスト形式でまとめてみましょう。

  • 夜間や暗所での撮影が多い人 ✓ 大型1/1.3インチセンサーとSuperNightモードで低照度に強い ✓ 13.5ストップのダイナミックレンジで明暗差の大きいシーンも美しく
  • 長時間の撮影を行いたい人 ✓ 4時間駆動バッテリーで長時間撮影に対応 ✓ 47GB内蔵ストレージで予備なしでも安心
  • 水中・マリンスポーツで使用したい人 ✓ ケース不要で20m防水に対応 ✓ 前後タッチスクリーンで水中での操作も容易
  • プロフェッショナルな映像編集を行う人 ✓ 10-bit D-Log M対応で高度なカラーグレーディングが可能 ✓ DJI製品との親和性が高く、ワークフロー全体を効率化
  • コンパクトさを重視する人 ✓ GoPro HERO13より小型軽量 ✓ 携帯性に優れた設計

一方で、以下のような方はGoPro HEROシリーズなど他のモデルも検討する価値があります:

  • 5.3Kなど超高解像度での撮影にこだわる方
  • GoProの豊富なサードパーティアクセサリーを活用したい方
  • すでにGoProエコシステムに投資している方

専門用語ガイド(知っておきたい技術用語)

アクションカメラを選ぶ際に知っておくと便利な専門用語をわかりやすく解説します。

  • CMOSセンサー: デジタルカメラの「目」に相当する部品で、光を電気信号に変換します。「1/1.3インチ」などのサイズが大きいほど、光をより多く取り込め、暗所での撮影性能や画質が向上します。
  • ダイナミックレンジ(ストップ数): カメラが捉えられる明暗の幅を表す指標です。ストップ数が大きいほど、明るい部分と暗い部分の両方のディテールを同時に記録できます。例えば、13.5ストップのカメラは、明るい空と影のある地面を同時に適切な露出で撮影可能です。
  • 10-bit D-Log M: DJIが開発した10ビット(約10億色)のログ撮影フォーマットです。通常の8ビット(約1,670万色)より4倍の色情報を記録でき、撮影後の色調整(カラーグレーディング)の自由度が高まります。
  • 手ブレ補正(RockSteady): ジャイロセンサーで検知した動きを電子的に処理し、映像のブレを軽減する技術です。DJIでは「RockSteady」と呼ばれ、特に激しい動きの中での安定性に優れています。
  • フレームレート(fps): 1秒間に撮影されるコマ数のことで、数値が大きいほど滑らかな動きや高品質なスローモーション映像が撮影できます。例えば120fpsで撮影した映像を30fpsで再生すると、4倍のスローモーション効果が得られます。

よくある質問(FAQ)

Q: 前モデルから買い換える価値はありますか?

A: センサーサイズの拡大(1/1.7インチ→1/1.3インチ)、バッテリー駆動時間の50%増加(2.5時間→4時間)、内蔵ストレージの追加(47GB)など、複数の強化ポイントがあります。特に暗所での撮影や長時間撮影が多い方には大きなメリットがあるでしょう。

Q: GoProとの主な違いは何ですか?

A: 最大の違いは低照度性能です。Osmo Action 5 Proの大型センサーは暗所での撮影に強く、4時間の長時間バッテリーも魅力です。一方、GoProは5.3K解像度や豊富なサードパーティアクセサリーが強みです。また、DJIの方が約1万円ほど安価で、コストパフォーマンスに優れています。

Q: 防水ケースなしで本当に水中撮影できますか?

A: はい、Osmo Action 5 Proは防水ケースなしで水深20mまでの撮影に対応しています(前モデルは18m)。一般的なシュノーケリングやダイビングであれば、追加アクセサリーなしで使用できます。ただし、長時間の深度限界付近での使用時は安全のため防水ハウジングの併用が推奨されます。

Q: バッテリーは本当に4時間持ちますか?

A: 4K/30fpsの設定で、理想的な環境では最大約4時間の連続撮影が可能です。ただし、高フレームレート撮影や低温環境では駆動時間が短くなることがあります。それでも、一般的なアクションカメラの平均的な駆動時間(約2時間)よりも大幅に長いのは事実です。

Q: 内蔵メモリはどのくらい使えますか?

A: 約47GBの内蔵ストレージを搭載しており、microSDカードがなくても撮影開始できます。4K/30fps設定で約30分〜1時間程度の映像を記録可能です。もちろん最大1TBまでのmicroSDカードにも対応しているため、長時間・大容量の撮影も安心です。

まとめ

DJI最新アクションカメラ「Osmo Action 5 Pro」は、大型1/1.3インチセンサーによる優れた低照度性能と4時間駆動の長寿命バッテリーを最大の武器に、アクションカメラ市場に新たな選択肢を提供しています。

特に夜間や暗所での撮影品質、長時間のアウトドア撮影、水中撮影などのシーンで真価を発揮するモデルと言えるでしょう。GoPro HERO13と比較しても、コストパフォーマンスの高さは魅力的です。

最終的な選択は用途によって異なりますが、本記事で紹介した特徴や比較ポイントを参考に、自分のニーズに最適なアクションカメラを見つけていただければ幸いです。

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