ZTEスマホは本当に危険?セキュリティ疑惑と実態を徹底解説

スマートフォン選びで「ZTEは危険」という噂を耳にしたことはありませんか?中国メーカー製スマホのセキュリティリスクが話題になる中、格安スマホとして日本でも人気のZTE製品について、その真相を探ります。本記事では、ZTEスマホに関する安全性の疑問や不安に対して、技術的な観点と政治的背景の両面から検証します。
ZTEスマホが「危険」と言われる理由とは?
なぜZTEは警戒されているのか?
ZTEスマホが危険視される理由は、主に以下の3つに集約されます。
- 中国政府との関係性: ZTEは半官半民の企業形態であり、中国政府の影響下にあると見なされています。特に「国家情報法」により、中国企業は政府の要請があれば情報提供が義務付けられているため、ユーザーデータが中国政府に渡る可能性が懸念されています。
- 過去のセキュリティ問題: 2012年にZTEのスマホ「Score M」に特定のパスワードで端末を制御できる「バックドア」的な脆弱性が発見されました。この問題はZTE社も認め、修正対応しましたが、信頼性に疑問符がつく事態となりました。
- 各国政府による規制: アメリカをはじめとする複数の国が、国家安全保障上の懸念からZTE製品の政府調達を禁止しています。2022年11月には米国FCCがZTEを含む中国5社の通信機器・監視機器について米国内での販売・輸入を禁止する決定を下しました。
「ZTEは危険」という言説は、こうした背景から生まれていますが、一般ユーザーにとって本当にリスクがあるのかは、もう少し詳しく見ていく必要があります。
Huaweiとの違いは?
Huaweiも同様に中国メーカーとして警戒されていますが、ZTEとは若干状況が異なります。
- ZTEは国有資本が入った半官半民企業である一方、Huaweiは民間企業としての色合いが強いとされています
- 両社とも米国から制裁を受けましたが、Huaweiの方がGoogleサービスが使えないなど、ユーザーへの実害が大きくなっています
- 技術力や世界シェアではHuaweiの方が注目度が高く、結果的に警戒も厳しくなる傾向があります
セキュリティリスクの観点では、両社とも同様の懸念事項(中国の国家情報法による情報提供義務など)がありますが、現時点でZTEスマホはGoogleサービスなど基本機能の利用制限はなく、実用面ではHuaweiより制約が少ない状況です。
ZTEスマホで確認された問題と不具合事例
過去に報告されたセキュリティ問題
ZTEスマホのセキュリティ問題として最も有名なのは、2012年に発覚した「Score M」モデルのバックドア問題です。特定のパスワードを入力することで、誰でも端末を完全に制御できる脆弱性がありました。セキュリティ専門家はこれを「極めて異例なバックドア」と表現し、ZTEが故意に仕組んだ可能性も排除できないと指摘しました。
ただし、この脆弱性は発見後にZTE社も認めて修正対応しており、その後同様の大規模なセキュリティ問題は報告されていません。最新モデルではGoogle Playプロテクト認定を受けているものもあり、基本的なセキュリティ基準は満たしていると考えられます。
Liberoシリーズなど日本で流通するZTEスマホの評判
日本で販売されているZTEのLiberoシリーズについては、セキュリティよりも実用面での不満が多く見られます:
- タッチパネルの反応が悪い
- 通信や通話が不安定になることがある
- カメラ画質が期待より低い
- バッテリー持ちに不満がある
- 重いゲームには適さない性能
セキュリティ面での具体的被害報告は少なく、むしろ「コスパの良い格安スマホ」として一定の評価を得ています。ただし、長期的なOSアップデートサポートがメジャーブランドより短い傾向があり、セキュリティ更新が途絶えるリスクはあります。
本当に情報は抜かれる?スパイ疑惑の真偽
データが中国に送信される可能性
「ZTEスマホから勝手に情報が中国に送られる」という懸念について、現時点で一般ユーザーの個人情報が無断で中国に送信されたと確認された明確な事例は報告されていません。
ただし、理論上は以下のようなリスクが考えられます:
- システムレベルのバックドア:OSや基本ソフトウェア(ファームウェア)に不正機能が仕込まれる可能性
- プリインストールアプリによるデータ収集:初期搭載アプリが必要以上の権限を要求する場合
- サーバー通信:クラウドサービス利用時に中国のサーバーを経由する可能性
これらは技術的には可能ですが、Androidはオープンソースで多くの目があるため、大規模な不正行為は発覚しやすい環境にあります。また、端末内の暗号化や最新OSへのアップデートにより、リスクは軽減できます。
個人利用で懸念すべきこと
一般的な個人利用では、以下のようなケースで注意が必要です:
- 政府や企業の機密情報を扱う場合
- プライバシー性の高い金融情報や医療情報を多く扱う場合
- 政治的に微妙な立場や活動に関わる場合
一方、通常のSNS利用やウェブ閲覧、ゲームなどの娯楽目的であれば、ZTE特有の極端なリスクは少ないと考えられます。実際に3年以上中国製スマホを使用しているユーザーの多くは「特に問題を感じたことはない」と報告しています。
各国・日本の対応状況
アメリカの禁止措置とその理由
米国は2022年11月、「国家安全保障上の懸念」を理由に、ZTEを含む中国5社(Huawei、Hytera、Hikvision、Dahua)の通信機器および監視機器について輸入や販売の許可を与えることを禁止しました。
これに先立ち、2018年には対イラン・北朝鮮制裁違反でZTEに対して7年間の米国企業との取引禁止措置を科しました(後に和解)。2020年にはFCCが全米の通信事業者に対してZTE製機器の使用停止を命じています。
米国が挙げる主な懸念点は:
- 中国軍や情報機関とのつながり
- 通信インフラを通じたスパイ活動の可能性
- 重要インフラに対するサイバー攻撃の潜在的リスク
日本での規制状況
日本政府も2018年以降、政府機関での調達からHuaweiやZTEなどの中国製通信機器を実質的に排除する方針を採用しています。ただし、一般消費者の利用を制限するような法的規制は設けていません。
つまり、官公庁や防衛関連施設ではZTE製品は使用されていませんが、一般消費者の自由選択は妨げない姿勢です。Y!mobileなどのキャリアでもZTE製Liberoシリーズが販売されており、通常利用での制限はありません。
ZTEスマホとどう付き合うべきか
買っても大丈夫な人・避けた方がいい人
ZTEスマホが向いている人:
- 予算を抑えてスマホを購入したい人
- 基本的な機能(電話・メール・SNS・ウェブ閲覧など)が中心の利用者
- 最新機能よりコスパを重視する人
- セキュリティリスクを自分で管理できる人
避けた方がいい人:
- 会社の機密情報を扱う業務用として使用する人
- 政府関係者や機密性の高い情報を扱う職業の人
- 長期的なOSアップデートサポートを重視する人
- 最新のゲームや高性能を要する用途に使いたい人
安全に使うためのチェックリスト
ZTEスマホを含むすべてのスマートフォンで実践したい安全対策は以下の通りです:
- 初期設定の見直し:購入後すぐに初期パスワードを変更
- アップデートの徹底:OSとアプリの更新を定期的に実施
- アプリ権限の確認:不必要な権限(位置情報や連絡先アクセスなど)を制限
- 不審なアプリの排除:出所不明のアプリはインストールしない
- セキュリティアプリの利用:信頼できるセキュリティアプリでスキャン
- 重要データの暗号化:機密性の高い情報は専用の暗号化アプリで保護
代替となる安全な選択肢
ZTEのリスクが気になる方には、以下のような代替選択肢があります:
- Google Pixel:米国メーカーで長期アップデート保証、セキュリティ機能が充実
- ASUS Zenfone:台湾メーカーで中価格帯の選択肢
- Sony Xperia:日本メーカーで信頼性が高い
- AQUOS:シャープの国産スマートフォン
- Samsung Galaxy A/Mシリーズ:韓国メーカーの中〜低価格モデル
コスパを重視するなら、Google PixelのAシリーズやSamsungの低価格モデルが、政治的リスクを抑えつつ予算を抑える選択肢となります。
よくある質問(FAQ)
Q1: ZTEのスマホを使うと本当に情報を盗まれますか?
A1: 現時点で、一般ユーザーの個人情報がZTEスマホから勝手に中国に送信されたと確認された事例はありません。ただし、中国には国家情報法という法律があり、政府が企業に情報提供を求めることが可能なため、リスクがゼロとは言い切れません。心配な場合は、重要なデータはクラウドに置かない、通信を暗号化するなど対策しましょう。
Q2: 過去にZTEスマホで発見されたバックドアはありますか?
A2: はい、2012年に米国で販売されたZTEスマホ「Score M」に共通パスワードによるバックドア脆弱性が見つかっています。この問題はZTE社も認めて修正対応しました。それ以降大きなスキャンダルは出ていませんが、常に最新アップデートを適用して脆弱性を塞ぐことが大切です。
Q3: 普通にゲームやSNSをする分にはZTEでも問題ないですか?
A3: 基本的には問題ないでしょう。多くのユーザーはXiaomiやZTEなど中国スマホを日常利用していますが、特に危険を感じたことはないとの声もあります。ゲームやSNS程度の利用であれば、過剰に心配する必要は低いです。ただし、ゲーム目的ならハイエンド機種でないZTEスマホでは性能不足を感じる可能性があります。
Q4: なぜZTEのスマホは安いのに高性能なんですか?
A4: ZTEを含む中国メーカーは人件費や開発コストの強み、大量生産によるスケールメリットで低価格を実現しています。特にZTEは通信機器大手でもあり、技術を流用できる点もあります。ソフトウェア開発やサポートにコストを掛けていない分安価という側面があります。そのためアップデート頻度が少ない、細かな使い勝手が大手より劣る、といった点で価格とのトレードオフが存在しています。
まとめ:冷静な判断を
ZTEスマホの「危険性」については、過剰な恐怖も根拠のない安心も避け、バランスのとれた視点が大切です。
- 政府機関や軍事関連などでは避けるべき理由が明確にありますが、一般消費者の日常利用では極端なリスクは確認されていません
- コストパフォーマンスを重視するなら、適切なセキュリティ対策を講じた上でZTEも選択肢となります
- 不安が拭えない場合は、日本・米国・韓国・台湾メーカーなど代替選択肢も検討しましょう
最終的には「何を重視するか」という個人の優先順位と、「どの程度のリスクなら許容できるか」という判断によります。本記事の情報をもとに、あなたに合ったスマートフォン選びの参考にしていただければ幸いです。

関連記事

秘訣公開!ヴィンテージ時計買取は専門業者がベスト!眠る価値を呼び覚ます方法
約10時間前
ヴィンテージ時計は、単なる古い時計ではありません。そこには時代を超えた美しさ、職人の技、そして持ち主の想いが宿っています。あなたが大切にしてきたヴィンテージ時計も、正しく評価されれば驚くべき価値を持つかもしれません。しか […]

【解決策】メルカリトラブルで警察が動かない?5つの理由とあなたが取るべき全ステップ
約10時間前
「メルカリで購入した商品が偽物だった」「代金を払ったのに商品が届かない」――そんな深刻なトラブルに巻き込まれたとき、「警察が動いてくれない」という話を耳にし、不安を感じていませんか? ご心配はもっともです。実際、メルカリ […]

【完全ガイド】古い冷蔵庫の下取り・処分方法|費用・手順・注意点を徹底解説
約10時間前
冷蔵庫の買い替えや引っ越しを機に、古い冷蔵庫の処分に悩んでいませんか?「下取り」と耳にするものの、手続きや費用について不安な方も多いでしょう。さらに冷蔵庫は家電リサイクル法の対象で、粗大ごみとして捨てることができません。 […]